Vol.01 金田博之さん

囁くような声のトーン、落ち着きが顧客の心を開かせている

過去に8名の部下とインサイドセールス部を立ち上げた金田さん。3年後には41名の組織にまで拡大させ、うち約4割が女性部下だったといいます。
多くの女性を組織で育ててきた視点で、女性営業のアドバンテージはどのような点だと思いますか?

男女区別視したことはありませんが、敢えてお答えすると女性営業は上司の私から見ていても、とにかく安心でした。その理由は2点あります。

1点目は「顧客フォローがきめ細かく、信頼される」こと。一連の顧客応対のプロセスを確認すると、商談前の段取りからその後のフォローまで懇切丁寧で信頼構築に大きく影響を与えています。
例えば基本的なことですが、営業同行前日には商談当日の細かい段取り内容がメールで送られてくる、そして顧客訪問後は当日中に先方へ御礼のメールを一本入れている。一つひとつの営業活動が見えるから、女性部下にはこちらから声をかけずとも安心なのです。
しかも、顧客アプローチもあたりがソフトなので上手い具合にニーズを引き出せている。かつての私の部下に、部内NO1のトップコール(大手企業の役員層よりアポイントを電話で獲得する)の女性がおりましたが、彼女の声の囁くような声のトーン、落ち着きが相手の心を開かせ信頼を勝ち取っているのだと思いますね。

2点目は「基本に忠実」であり、この基本行動が確実な成長に繋がっているということ。これも個人差がありますが、比較的女性はじっくり進める傾向があると感じます。効率重視に「これはどうやったら上手くいきますか?」とショートカットばかりを求めても、土台なき仕事はいつか崩れ落ちますから。

「金田さんは優しすぎます!」女性部下の厳しい発言から気付いたこと

数多くの女性部下のマネジメント経験から、何か気付きはありましたか?

よく「強み」は同時に「弱み」に化するといいますが、個人的には称賛する特性のひとつに「はっきりと自己主張する」ことが挙げられます。これは実際のエピソードなのですが、ある女性部下よりズバリと言われました。「金田さんは優しすぎます。もっと厳しく叱ってください!」と。当初の私としては、男女区別なくマネジメントしていたつもりでしたから青天の霹靂でした。あまりのストレートな主張に非常にショックを受け悩みます。

しかし冷静になって考えてみると、確かに男性部下には無意識に厳しく指導していた一方で、女性部下には気を遣っていたのかもしれません。夜遅く残業していると「女性だから早く帰ったほうがよい」など。そこで私はとことんその女性部下と膝を突き合わせて話し合いました。自分の中で「女性だから」という視点がそもそも間違っていたのですね。そしてじっくりと話し合いを深めた部下こそ、何かあったらいつでも相談できる仲間になりました。

周囲にも同じく女性部下とのコミュニケーションで悩んでいる上司を多く耳にしますが、変な遠慮をせずにじっくりと向き合うことが大事です。
そのような意味では、女性営業側ももっと本音で上司にぶつかっていくことが必要かもしれません。

遠慮せず、もっと積極的なアピールを

営業を受ける立場として、女性営業の好印象な経験、残念な経験はありますか?

実際に私が対応していた某企業の女性営業担当者の例です。ある方からは頻繁に弊社ホームページや私のブログをチェックしてくれて、「WEBサイトに金田さんのインタビュー記事を見つけました」の感想や、「今度本を出版されるのですね。おめでとうございます!」など、わざわざメールをいただきます。ビジネスに直結しない内容なのですが、やっぱり気にかけてくれるのは嬉しいですよね。この意味では、女性は顧客を「その人に関係することすべて」と見て関心を寄せているのかもしれません。

一方で残念な経験では、ある女性営業担当者が上司やエンジニアなど関係者を引き連れて商談にやってきました。周囲に気を遣ってか、途端にイニシアチブを周囲に委ね、自分は黙り込んでしまったのです。もしかすると戦略的な手法だったのかもしれませんが、もっと積極的にリーダーシップを発揮、ドンドンとアピールして欲しかった。彼女主体の提案なのですから。きっと女性の強みである協調性が「遠慮」となってしまったのでしょう。控え目さは好印象と映る一方で、積極性に欠ける、とマイナスに受け止められることもありますね。

たった1行書くだけで、仕事も人生もうまくいく!を

20代から始めたブログが注目され、本も出版される運びとなりました。仕事もプライベートも成功する秘けつを教えてください。

「あの人凄いな」と憧れる人がいれば、『憧れリスト』を作成してみてください。単なる憧れで終わるのではなく、「なぜあの人は結果を出しているのか」をノートに書きだし分析します。そうすれば、その人に共通する成功点が可視化され、自分も真似できる法則へと落とし込めるようになります。

さらに拙著「29歳からの人生戦略ノート」(日本実業出版社)にもありますが、自分の実行結果を「蓄積型」でノートに1行で書き出すのです。
例えば、嫌な経験をした時こそ愚痴でも良いのでノートに1行で記録する。そして書いたことを忘れます。その後1ヶ月後に再度読み返してみると、当時の失敗経験が生んだ学びが驚くほど得られるのです。
「プレゼンで失敗したな」と落ち込んだら、その失敗点を1行ノートに記録します。その失敗文をノートに蓄積しておくと、「自分がプレゼンで失敗している共通点ノート」に生まれ変わります。このノートを、大事なプレゼンの直前1分前に読み返す。すると驚くほど、その後のプレゼンも上手くいくのです。

プライベートで夢を叶えるには「ありのまま願望リスト」がお勧めです。会社の目標は与えられるものが多いのでコミットせざるを得ませんが、プライベートの目標は誰も決めてくれません。だからこそ、プライベート目標をたてたら家族や周囲にコミットし共有します。私のノートにはこの「ありのまま願望リスト」が綴られており、妻と実現したい夢を書き出していますが、書いたら即スケジュール帳に予定を入れています。例えばクリスマスにハワイに行く、と決めたら即、12月の予定に書き込み、予約を決める6月にも予定を書き込みます。すると、夢は実現しやすくなるのです。

「意外性」を発揮すればより目立つ存在に

金田さんより、営業女子へ応援エールをお願いします。

今の時代、女性は十分過ぎるほど優秀です。だからこそ、男性は女性の、女性は男性の強みを真似して自分の武器と化して欲しいです。男性の凄いな、と思う点を吸収して「意外性」を出せばさらに個性も発揮されるはず。さらなるご活躍を期待しています!

7:00
起床
朝食、ノートのふりかえり
9:00
出社
1日平均250~300通のメール処理を時間を決めて実行
10:00
社内会議や商談
12:00
ランチ会食(人脈系)
13:00
社内会議や打ち合わせ (1日平均6~8回)
19:30
退社
上司として自ら早く帰る姿を見せる
20:00
会食、または週1回は妻とデート
22:00
帰宅 ブログ更新など
Blackberryで海外本社とのやりとり
24:30
就寝